SASE/SWG導入の背景と解決策 - Biz Insights|経営戦略・DX・AI・マーケティングの実践知メディア
SASE/SWG導入の背景と解決策

SASE/SWG導入の背景と解決策

クラウド利用やハイブリッドワークの定着で、境界型防御だけでは守りきれなくなっています。SASE/SWGの導入が求められる背景と、導入によって得られる効果を整理します。

Contents

  • 背景や課題
  • 解決策
  • ソリューション

背景や課題

働き方やITインフラのあり方が大きく変化する中、多くの企業が従来型のネットワークセキュリティの限界に直面し、SASE(Secure Access Service Edge)やSWG(Secure Web Gateway)の導入を検討・推進しています。その背景には、単一の要因ではなく、複数の環境変化が複雑に絡み合った、企業共通の課題が存在します。

1. クラウド利用の拡大

  • SaaSやIaaS/PaaSの利用が一般化し、社内システムだけでなく外部のクラウドサービスへのアクセスが急増
  • 従来の「社内ネットワークを守る」境界型防御モデルでは、クラウド上のデータやアプリを十分に保護できなくなった

2. テレワーク・ハイブリッドワークの定着

  • 社員が自宅やカフェなど社外から業務システムにアクセスするケースが常態化
  • 従来型のVPN集約方式では、通信の集中によるパフォーマンス低下や、拠点ごとの機器管理コストが課題に

3. 境界型防御(ペリメータセキュリティ)の限界

  • 「社内は安全、社外は危険」という前提が崩れ、社内外を問わず脅威が存在する時代に
  • 内部不正やラテラルムーブメント(侵入後の水平展開)への対策も必要に

4. ゼロトラストへの移行ニーズ

  • 「常に検証する」という考え方が主流になり、通信のたびにユーザー・デバイス・コンテキストを確認する仕組みが求められている
  • SASE/SWGはゼロトラストアーキテクチャを実現する主要な構成要素の一つ

5. 拠点・ネットワーク構成の複雑化

  • 支店・工場・海外拠点など、拠点ごとにファイアウォールやプロキシを個別運用するのは運用負荷が高い
  • SASEはクラウド上でセキュリティ機能を一元提供し、拠点側の機器(アプライアンス)を軽量化・シンプル化できる

6. シャドーITやWeb経由の脅威増加

  • 従業員が許可されていないSaaSを使う「シャドーIT」の可視化・制御ニーズ
  • フィッシングやマルウェア配布の多くがWeb経由で行われるため、Webトラフィックの可視化・検査が重要に

7. 運用効率化・コスト最適化

複数のセキュリティ機能(SWG、CASB、ZTNA、FWaaSなど)を単一プラットフォームに統合することで、運用管理の一元化・コスト削減を図れる

解決策

1. セキュリティレベルの向上・均一化

  • 拠点、社内、リモートワーク環境を問わず、すべてのユーザー・デバイスに同一のセキュリティポリシーを適用できる
  • URLフィルタリング、マルウェア検知、SSL/TLS復号検査などにより、Web経由の脅威(フィッシング、ランサムウェア等)を入口で遮断
  • CASBと組み合わせることで、許可外のSaaS利用(シャドーIT)を可視化・制御し、情報漏えいリスクを低減
  • ZTNAの採用により、VPNのような「一度認証すれば社内全体にアクセス可能」という状態を解消し、侵害時の被害範囲を局所化

2. 通信品質・生産性の向上

  • SD-WANによる経路最適化と「ローカルブレイクアウト」(クラウド宛の通信を本社経由させずインターネットへ直接抜く)により、Web会議やSaaS利用時の遅延を軽減
  • 従来型VPNで発生していた、リモートワーク利用者増加による回線逼迫・速度低下を緩和

3. 運用負荷の軽減

  • 拠点ごとに個別導入していたファイアウォールやプロキシなどの機器が不要になり、保守・ファームウェア更新の手間を削減
  • クラウド上の単一管理コンソールでポリシー変更・監視を一元的に実施でき、設定差分や属人化を防止
  • ネットワーク全体の状況やログが可視化されるため、特定担当者に依存しない運用体制を構築しやすい

4. コスト最適化

  • SWG・CASB・ZTNA・FWaaSなど複数のセキュリティ機能を単一プラットフォームに統合することで、ベンダー・ライセンスの乱立を解消
  • 拠点ごとの機器購入・保守コストが不要になり、トラフィック増加にもクラウド側でスケール対応可能

5. 事業変化への柔軟な対応

  • クラウドベースのため、拠点の新設・統廃合やM&A、テレワーク比率の変化などに応じて迅速にユーザー・ポリシーを追加・変更できる
  • 情報システム部門が日常対応に追われる時間を減らし、IT戦略やDX推進など本来注力すべき業務にリソースを振り向けやすくなる

この課題について、専門家に相談してみませんか

現状の把握から戦略策定、導入・運用まで、INTLOOPのコンサルタントが一貫してご支援します。何から始めればよいかわからない段階でも、お気軽にご相談ください。

ソリューション

SASE / SWG

監修者

池田 正昭
INTLOOP Strategy株式会社 Corporate Finance / Managing Director

池田 正昭

金融機関に入社後、アンダーセン(アクセンチュア)、ビッグ4監査法人系アドバイザリー部門、事業会社を経て、経営・戦略コンサルティング領域の経験を30年以上有する。モットーは現場主義。

深谷 匡隆​
INTLOOP Strategy株式会社 Transportation / Managing Director

深谷 匡隆​

約15年にわたり経営・戦略コンサルティングに従事し、製造・小売・流通・通信・ハイテクなど多様な業界において、成長戦略、新規事業立案、DX、IT等のテーマを支援。

吉田 卓史
INTLOOP Strategy株式会社 Cyber Security Practice / Managing Director

吉田 卓史

20年以上のサイバーセキュリティ分野におけるコンサルティング経験を中心に、ITコンサルティング、業務コンサルティング等様々な分野の専門知見を有する。

渋谷 賢吾
INTLOOP Strategy株式会社 Telecom / Managing Director

渋谷 賢吾

複数の大手外資系コンサルティング会社にて、通信・ハイテク業界の国内外事業戦略、新規事業開発、AI・DX事業戦略、CX向上、生産性向上施策の策定など企業戦略構築全般の支援を経験。

藤澤 賢成
INTLOOP Strategy株式会社 Finance Service / Director

藤澤 賢成

銀行・証券領域における自己資本比率規制、リスク管理全般、市場業務、グローバル金融規制、ガバナンス体制、マネーローンダリング対応等を専門とし、国内外の金融当局との折衝経験を豊富に有する。

高橋 聖
INTLOOP Strategy株式会社 AI&Data Practice / Director

高橋 聖

MIT博士(工学)。スタートアップのChief Data Officerとして生成AI・データ分析を活用したプロダクト開発を主導。データサイエンス・AI領域で戦略から実装まで豊富な実績を有する。