東京電力ホールディングス株式会社様|スキル可視化と業務効率化を両立し、28,000名超の学びを支える教育基盤を構築 - Biz Insights|経営戦略・DX・AI・マーケティングの実践知メディア
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東京電力ホールディングス株式会社様|スキル可視化と業務効率化を両立し、28,000名超の学びを支える教育基盤を構築
成功事例

東京電力ホールディングス株式会社様|スキル可視化と業務効率化を両立し、28,000名超の学びを支える教育基盤を構築

東京電力グループ各社を統括し、経営管理や研究開発、福島事業など多岐にわたる役割を担う東京電力ホールディングス株式会社。28,000名を超える社員に対し、現在はDX人材の育成に本格的に取り組んでいます。
その一環として、学習管理システムの刷新とスキルの可視化を両立する新たな学習環境の整備に着手しています。
今回は、本プロジェクトをけん引した同社の佐々木様と、伴走支援した当社担当コンサルタントの久保田に、構想からシステムの導入、そして今後の展望までを伺いました。

東京電力ホールディングス株式会社様|スキル可視化と業務効率化を両立し、28,000名超の学びを支える教育基盤を構築
写真左:東京電力ホールディングス株式会社 稼ぐ力創造ユニット 組織・労務人事室 人財・組織開発センター 開発企画グループ 兼 開発推進グループ グループマネージャー 佐々木 朋徳 様
写真右:INTLOOP株式会社 BX(ビジネストランスフォーメーション)推進統括本部 パートナー 久保田 寧

課題

  • 従来システムに依存した申込・履歴管理により、研修運用が煩雑で非効率だった
  • 多様化する学習スタイルに対応できる仕組みが不足していた
  • DX人材育成を推進するうえで、学習データの蓄積やスキル可視化が不十分だった

効果・成果

  • 研修情報と運用プロセスを一元化し、利便性向上と運用負担削減を両立
  • 動画コンテンツを組み込んだ、自律的な学びを支援する学習環境を整備
  • 学習履歴をもとに社内認定制度と連携し、スキル可視化を実現

Contents

  • 非効率な運用から脱却し、人的資本経営を加速させる学習環境へ
  • 柔軟性と実行力で現場に寄り添う、型にはまらない伴走支援が決め手
  • 基盤構築×スキル可視化×運用負担削減――人材育成に集中できる環境を整備
  • 成果を生む学びの循環、その先に描くタレントマネジメントの未来

非効率な運用から脱却し、人的資本経営を加速させる学習環境へ

――佐々木様の所属と現在の担当業務について教えてください。

佐々木様:
私が所属する「稼ぐ力創造ユニット組織・労務人事室」は、事業戦略と人事機能を連携させ、人材の力を企業の成長に結びつけることを目的とした組織です。グループ全体の経営課題を見据えた人材育成戦略の立案・実行を担っています。

その中で私は、全社横断の研修プログラムの企画・設計、学習管理システムの導入・運用を一貫して担当し、人材育成の推進に取り組んでいます。

――当初、どのような課題を抱えていたのでしょうか?

佐々木様:
近年、企業の競争力を支える基盤として「人的資本」が注目を集めています。どのように人材を育成し、活かしていくかは、経営全体に関わる重要な課題です。

しかし当社では、研修の申込管理や学習履歴を一元的に把握・活用できる仕組みが整っていませんでした。研修の申し込みは社内独自の予約システムを用いており、実施結果は別の人事システムに入力するといった非効率な運用が続いていました。

さらに、これまで主流だった集合研修に加え、動画視聴やオンライン講座による自律的な学習のニーズが高まっていました。こうした多様な学習スタイルに対応し、それぞれの履歴やデータを蓄積・活用できる環境の整備が求められていました。

――今回のプロジェクトをスタートさせた背景やきっかけを教えてください。

佐々木様:
転機となったのは、会社として「DX人材の育成を本格的に推進していく」という明確な意思決定がされたことです。

今後の人材戦略では、社員一人ひとりのスキルや志向性、キャリア希望、評価などをデータとして一元管理し、育成と配置をより戦略的に行っていく必要があります。

その実現に向けて、まず取り組んだのが「学び」の可視化です。研修履歴や学習プロセスを蓄積・活用できる仕組みとして、統合的な学習管理システムの導入を決断しました。

この取り組みは、単なる業務改善ではありません。人材育成を軸に、企業の未来をどう築いていくか――その起点となる取り組みだと捉えています。

佐々木様:
今回の取り組みは、外部のサービスを活用する大規模なプロジェクトであり、運用・技術面のノウハウに加え、リソースの確保が不可欠でした。

もちろん、情報システム部門にもITの知見はありますが、外部サービスの選定や導入におけるベンダーとの調整等は人事部門で主導する必要もあり、統合的な学習管理システムの導入は人事部門として初めて扱う領域でした。

こうした背景から、私たちの知見を補い、パートナーとして併走してくれる外部の力が必要だと判断しました。

柔軟性と実行力で現場に寄り添う、型にはまらない伴走支援が決め手

――パートナーを選定する際、他にも候補があったかと思います。その中で、なぜINTLOOPを選ばれたのでしょうか?

佐々木様:
今回のプロジェクトは、構想設計から導入・運用まで、フェーズごとに求められる支援の内容や関与の度合いが大きく変化する、非常に流動性の高い取り組みでした。

さらに、当社は事業規模が大きく関係者も多いため、プロジェクトの過程で予期せぬ調整や課題が生じることも少なくありません。そうした中で、私たちがもっとも重視したのは、「柔軟かつ実行力をもって、伴走してくれるパートナー」であることでした。

INTLOOPさんは、導入初期の構想整理から社内関係者との連携、そして実運用に向けた体制づくりまで想定し、提案をしてくれました。

単なるアドバイザーではなく、状況の変化にも柔軟に対応し、現場に深く入り込んで伴走してくれる。そんな「実行支援型のパートナー」であると感じたことが、INTLOOPさんを選んだ決め手です。

――他にも印象的だった点はありますか?

佐々木様:
支援内容に対するコストへの納得感が高かったことも印象的でした。

INTLOOPさんは、初期構想から運用フェーズまでを見据えた支援を前提にしながら、他社と比較してもコストパフォーマンスに優れていました。長く伴走してもらえる信頼感も含めて、安心して任せられるパートナーだと感じました。

――実際にプロジェクトを進めてみて、いかがでしたか?

佐々木様:
久保田さんの「寄り添う姿勢」と「現場視点での提案力」は、取り組みの大きな支えとなりました。

たとえば、私たちの状況を把握したうえで、「ここは体制を強化しましょう」「こういうスキルを持った方が合うと思います」と、具体的に提案してくれました。私たちの現場をよく理解してくれているという安心感がありましたね。

また、他のメンバーの方々も、とても親身に向き合ってくださる方ばかりで、安心してプロジェクトを進められました。

基盤構築×スキル可視化×運用負担削減――人材育成に集中できる環境を整備

――プロジェクトを進める中で、苦労された点を教えてください。

佐々木様:
最大の壁は、セキュリティ要件のクリアでした。原子力事業を含むインフラ企業として、また、社員の人事データを扱う箇所として情報管理の基準が非常に厳格に定められています。どれだけ優れたシステムでも、セキュリティ基準を満たさなければ導入は許可されません。

そうした状況の中でも、久保田さんをはじめとするINTLOOPの皆さんが、柔軟かつ粘り強く、課題解決に向けて並走してくれました。

久保田:
実際に、「この条件は見直す必要があるのでは?」「このデータは内部に留めなくてはいけない」といった議論を何度もしてきました。そのたびに、背景やリスクを論理的に整理し、対話を重ねながら合意形成につなげていきました。

企業によっては、こうした調整領域に外部が関与することを好まないケースも少なくありません。そのため、佐々木様が私たちの専門性を信頼し、深く関与することを許容してくださったことが、大きな推進力になったと感じています。

佐々木様:
私たちはITやシステム構築の専門家ではないため、判断に迷う場面も多くあります。だからこそ、一緒に悩み、前に進んでくれる「味方」として寄り添っていただける姿勢は、本当に心強いですね。

――現時点で実感されている成果や手応えを教えてください。

佐々木様:
研修の予約からWeb研修の参加、資料閲覧まで、一連のプロセスがスムーズに運用され、社員がシステム上で研修に参加できる環境を実現しました。加えて、動画コンテンツの活用も始まり、自律的な学びを促す仕組みも着実に整いつつあります。

また、これまでは社内掲示板やメールで情報を確認し、事務局に連絡する必要がありましたが、現在はシステム上で対応できるようになり、利便性も大きく向上しました。

実際に受講した社員から「操作がわかりやすい」「迷うことなく参加できた」といった声を聞いたときは、本当にうれしかったですね。今回の取り組みが、しっかり成果につながっていると実感しています。

――システムを導入してから、業務や運用にどのような変化や効果がありましたか?

佐々木様:
まず、研修の申し込みから受講、アンケートの収集までを、すべてシステム上で完結できるようになり、事務局の負担が大幅に軽減されました。

また、研修や学習履歴を独自のレベル認定制度と連携させたことで、「どのスキルを持った人材が、社内にどの程度いるのか」も把握できるようになりました。これは今後の人材配置や育成計画の検討を考えるうえでも、大きな意味を持ちます。

加えて、当社の運用に沿ったマニュアルをINTLOOPさんと協力して整備し、操作動画も作成して運用メンバー向けの教育も実施しました。そのおかげで、大規模な研修が集中する繁忙期にも、ほぼすべての研修を新システムで問題なく運用できました。

成果を生む学びの循環、その先に描くタレントマネジメントの未来

――当初想定していなかった取り組みがあれば教えてください。

佐々木様:
現在は、年内の本格稼働を目指して、「AIを活用した問い合わせ対応の仕組み」の導入も進めています。

実は、運用を始めてみると、各部署に研修の企画担当者が分かれている関係で、操作に不慣れな社員から事務局への問い合わせが、予想以上に多いことがわかってきました。

そうした実態を踏まえ、INTLOOPさんから「操作マニュアルをAIに読み込ませ、社員の質問に自動で該当箇所を案内する」という仕組みを提案いただきました。この仕組みが整えば、事務局の対応件数が大幅に削減される見込みです。

このように、現場のリアルな課題に目を向け、自分たちだけでは気づけなかった視点や打ち手を提示していただけるのは、非常に頼もしく感じました。

――研修自体はどのように変わっていくと期待されていますか?

佐々木様:
私たちの研修は、対象者が数百人、年間の研修実施が数十回にもおよぶ大規模なものが多くあります。本来であれば「内容は効果的か?」「もっと良くするには?」といった企画面に集中すべきなのですが、これまでは運用対応に追われ、そうした検討に十分な時間が割けていませんでした。

今回のシステム導入によって、煩雑な事務作業の多くを効率化でき、ようやく「育成プログラムそのものの価値を高めること」に集中できる体制が整いつつあります。

今期はまず安定運用を軸に改善を進め、来期以降は受講者の理解度や有益度をより高める施策など、「これまで以上に成果に結びつく学びの形」を追求していきたいと考えています。

――最後に、今後の展望についてお聞かせください。

佐々木様:
今回構築した仕組みや蓄積されたデータを最大限に活用して、学びの領域をタレントマネジメントへと発展させていくことが、今後の大きなチャレンジだと考えています。

社員一人ひとりが学びを通じてスキルを磨き、その成長がやがてお客様への提供価値につながる――そうした成長と還元の好循環を生み出すために、より良い環境を提供することが私たちの使命です。

ただ、こうした構想を具体的な成果へとつなげていくには、ITやデータ活用の知見が不可欠です。だからこそ、INTLOOPさんには信頼できるパートナーとして、これからもサポートしてもらいたいですね。

久保田:
ありがとうございます。おっしゃる通り、これからの時代、「学習」と「タレントマネジメント」を企業の戦略に直結させる動きは、ますます求められていくと感じています。

今回のように仕組みを整えることで、研修を「届ける」ものから「育てる」ものへとシフトしていくことは、人材開発にとって非常に大きな前進です。

これからも、AIをはじめとする新しいテクノロジーを積極的に人事領域へ応用し、東京電力ホールディングス様の目指す人材戦略の実現に向けて、しっかりと伴走していきたいと思います。