Event イベント情報
スタートアップ採用市場 最前線に迫る〜成長を加速する採用戦略とは〜|INTLOOP Ventures(2026年2月)
- 開催日
- 2026.2.19
- 開催場所
- INTLOOP本社内 Cafe INTLOOP
2026年2月19日、INTLOOP株式会社が運営するスタートアップ支援プログラム「INTLOOP Ventures」は、スタートアップ採用をテーマとしたトークセッションを開催しました。
資金調達環境の変化や生成AIの進展を背景に、スタートアップにおける採用は、単なる人員補充ではなく「経営判断」そのものとして位置づけられるようになっています。
本イベントでは、株式会社スタートアップクラス 代表取締役社長の藤岡清高氏をゲストに迎え、スタートアップ採用市場の最新動向を起点に、成長フェーズごとに求められるCxO・幹部人材の考え方、そして経営者や人事が陥りがちな採用判断の落とし穴などについて、多角的な視点から掘り下げました。
本記事では、セッションで取り上げられた主な論点やテーマ、当日の流れを中心に振り返ります。
具体的なエピソードや数値、個別事例の詳細には触れられない部分もありますが、スタートアップ採用を「経営の一手」としてどう捉えるかという大きな視点や、成長フェーズごとに押さえておきたい考え方のエッセンスを整理します。
経営者・CxOはもちろん、採用・人事を担う方にとっても、自社の現在地と照らし合わせながら判断軸を見直すきっかけとしてご覧いただければ幸いです。
INTLOOP Ventures イベントレポート
スタートアップ採用市場 最前線に迫る〜成長を加速する採用戦略とは〜
【実施日時】
2026年2月19日(木)18:00〜20:30
【タイムテーブル】
18:00〜18:15 オープニング
18:15〜19:30 トークセッション「スタートアップ採用市場 最前線に迫る〜成長を加速する採用戦略とは〜」
19:30〜19:40 Q&A
19:45~20:30 ネットワーキング・懇親会
【実施場所】
INTLOOP本社内 Cafe INTLOOP
〒107-0052
東京都港区赤坂2丁目4−6 赤坂グリーンクロス27F Cafe INTLOOP
オープニング
イベントの冒頭では、INTLOOP株式会社の廣瀬より、同社の近況とスタートアップ支援の取り組みについて紹介しました。
創業20周年を迎えたINTLOOPは、現在、連結で約1,500名、単体で約800名の体制へと拡大しています。売上高は335億円規模となり、3年前のIPO以降も堅調に成長を継続。直近10期のCAGRは42.7%と、高い水準を維持しています。
事業面では、正社員のコンサルタントやエンジニア、PMO人材によるデリバリーに加え、約53,000名のフリーランス人材ネットワークを活用したハイブリッド型の支援体制を構築。案件や課題、予算に応じて最適な体制を組み、主にDX領域を中心に企業変革を支援しています。大手コンサルティングファームと比較して価格競争力を保ちつつ、構想から実行まで伴走できる点も、INTLOOPならではの強みです。
続いて、スタートアップ支援コミュニティ「IVIC(INTLOOP Ventures Innovation Community)」についても紹介しました。IVICでは、スタートアップの成長に必要な「ヒト・モノ・カネ」をつなぐ場づくりをコンセプトに、勉強会やイベントの開催、Slackコミュニティの運営などを行っています。
現在、Slackコミュニティには約300名が参加しており、その6〜7割がスタートアップ関係者、残りがVCや支援企業です。M&AやIPOをテーマにしたセッション、スタートアップと事業会社をつなぐマッチング企画、資金調達ニーズを持つ企業とVCを結ぶイベントなど、毎月多様な取り組みを継続しています。
今後も、INTLOOP単体のソリューションにとどまらず、スタートアップとの協業を通じて支援の幅を広げながら、中長期的な成長目標の実現を目指していきます。
「INTLOOP Ventures Innovation Community(IVIC)」とは
「INTLOOP Ventures Innovation Community(IVIC)」は、ヒト・モノ・カネといった経営リソースを、参加企業同士が提供し合うことで、スタートアップの成長を支援するコミュニティです。
Slackを活用した常設のオンラインコミュニティに加え、スタートアップや投資家、経営リソース支援を行う企業が交流できるミートアップイベントを定期的に開催し、ネットワーク構築の機会を提供しています。
IVAサイト:https://intloop.com/intv-accelerator/
IVICサイト:https://www.intloop.com/intloopventures/
トークセッション
本セッションのテーマは、「スタートアップ採用市場 最前線に迫る〜成長を加速する採用戦略とは〜」。
変化の激しい市場環境の中で、採用をいかに経営戦略と接続させるか。スタートアップ採用ビジネスの第一線で活動してきた株式会社スタートアップクラス代表の藤岡氏より、成長フェーズ別の論点やCxO人材の在り方を軸に、実務に直結する示唆が共有されました。
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【登壇者】
株式会社スタートアップクラス
代表取締役社長 藤岡 清高 氏
東京都立大学経済学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。株式会社ドリームインキュベータにてベンチャーキャピタル業務に従事。起業家の課題を解決すべく、2011年に株式会社アマテラス(現スタートアップクラス)を創業し、スタートアップ専門の採用プラットフォーム『スタクラ』を運営。
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トークセッションの冒頭では、藤岡氏よりご自身の経歴と、株式会社スタートアップクラスの取り組みについて語られました。
藤岡氏:
「なぜスタートアップ専門の人材紹介をやっているのか?」とよく聞かれるんです。
僕はもともと、幼少期から起業家を一番尊敬していました。若いうちから経営者と向き合える環境に身を置きたいと思って銀行に入り、ファイナンスの力で挑戦する人を支えたいと考えていました。
ただ、実際に現場にいると、「お金があるところにお金を貸す」構造に少し違和感を覚えるようになったんです。もっと挑戦者に近い立場で関わりたいと思い、VCに転じました。
そのなかで強く感じたのが、スタートアップの採用の難しさです。特に2000年代前半は、ベンチャーに転職したいという人はほとんどいない時代でした。志ある経営者がいても、人が集まらない。そこがボトルネックになっているケースをたくさん見てきました。
「こんなに素晴らしい経営者のもとに人がいないのはおかしい。誰かがやるべきだ」
そう思って、2011年にスタートアップクラスを創業しました。
私たちがやっているのは、スタートアップに特化した採用スカウトプラットフォームです。いわばスタートアップ版のダイレクトリクルーティングサービスで、企業と個人が直接マッチングする仕組みです。
特に支援しているのは、シード・アーリーフェーズの企業。一番採用に困るのが、このフェーズなんです。お金もブランドもない。でも、この時期こそ何でもできる優秀な人が必要になる。大手人材会社に相談しても、「儲からないから難しい」と言われてしまう。だったら自分たちがやろう、と。
私たちは審査制をとっていて、主にシード・アーリーのスタートアップに限定しています。上場企業は原則対象外。「世界を変える可能性があるか」「社会課題を解決しうるか」という観点で選定しています。
無名でも大きくなる可能性のある会社とだけ向き合う。そこを絞ることで、登録者もスタートアップ志向の人材が集まり、結果として効率のよいマッチングが生まれています。
ここからは、トークセッション本編へ。
当日は具体的な事例や率直な意見、質疑応答も多く交わされましたが、詳細はオフレコとし、本レポートでは全体の流れと主要な論点に絞ってご紹介します。
スタートアップ採用市場の最新動向と2026年の注目ポイント

まず、スタートアップ採用市場の最新動向をテーマに、市場環境の変化や採用現場で起きているトレンドについて概観が示されました。
市場全体の動きとして、スタートアップの求人数増加と人材需給の変化が取り上げられました。若手不足やミドル層の動きの活発化、大手企業からスタートアップへの転職の広がりなど、キャリア選択の多様化が進んでいる点が共有されました。
あわせて、業種・職種ごとの傾向にも言及。
特定分野では比較的動きが活発である一方、応募数の多さや競争環境などが影響し、一概に「採用しやすい」「しにくい」とは言えない現状が示されました。
また、採用プロセスの各段階における変化も話題に上りました。投資環境や経営判断の慎重化など、外部環境の影響を受けながら、企業側の採用スタンスも変化しているとの指摘がありました。
さらに、生成AIの浸透による影響も重要な論点となりました。
経歴書や課題提出の在り方が変わるなかで、従来の評価手法の見直しや、「人となり」をどう見極めるかといったテーマが改めて浮上していることが共有されました。
全体として、本パートでは、
- 需給バランスの変化
- 人材流動の広がり
- 採用プロセスの変化
- AI時代における評価の在り方
といった複数の観点から、スタートアップ採用市場の現在地が整理されました。
フェーズによって求められるCxO像はまったく異なる
次のテーマは、「CxOに適した人材」について。ここで語られたのは、ステージごとにCxOに求められる役割は大きく異なるという点です。
シード・アーリー期では、肩書きよりも「何でもやる」姿勢が重要であり、現場で手を動かせる総合力が求められる。一方、シリーズA以降はプレイングマネージャー的な役割が強まり、レイターフェーズになって初めて、職能が明確に分化した「本来のCxO」が機能するといった視点が示されました。
あわせて、フェーズに対してスキルやマインドが過剰な人材を採用した場合に起こり得るミスマッチにも言及。役割期待やリソース認識のズレが組織不和につながるケースがあること、その防止には事前の情報開示や価値観のすり合わせが不可欠であることが強調されました。
「優秀な人」よりも「適切な人」を見極める
続いて話題は、人材の見極め方へ。
スタートアップにおいて重要なのは、一般的な意味での「優秀さ」よりも、自社のフェーズや課題、カルチャーに合致する「適切さ」であるという考え方が共有されました。
レジュメの実績をそのまま評価するのではなく、個人として何を成し、何に動機づけられているのかを深掘ること。ビジョンへの共感や「逃げない理由」といった内面的要素も重要な判断軸になるとのことでした。
あわせて、スキル偏重とビジョン重視の違いや、スタートアップにおいては後者の重要性が高まりやすい点にも触れられました。
採用に成功するスタートアップの共通点

最後に、採用で成果を上げている企業の特徴が紹介されました。
共通していたのは、「待ち」の採用ではなく、転職潜在層に対して主体的に働きかける姿勢です。コミュニティへの参加や継続的な関係構築など、時間をかけた母集団形成の重要性が語られました。
また、無名スタートアップにおいては、経営者自身が前面に立つことの意味も強調されました。企業ブランドではなく、「この人と働きたい」と思ってもらえる関係性づくりが、内定承諾に直結するという考え方です。
採用は偶然ではなく、一定の再現性をもった活動である。
その前提に立ち、戦略的に時間とエネルギーを投下している企業ほど、結果を出しているとの整理で本セクションは締めくくられました。
セッションの終盤にはQ&Aコーナーも設けられ、この場でしか聞けない示唆に富んだやり取りが交わされました。登壇者と参加者が双方向に対話を重ねる、実りある時間となりました。
ネットワーキング・懇親会

イベントの締めくくりには、登壇者・参加者・INTLOOPメンバーによるネットワーキング・懇親会の時間が設けられました。
会場にはドリンクと軽食が用意され、落ち着いた雰囲気の中、INTLOOP廣瀬の乾杯の挨拶でスタート。参加者は自由に行き来しながら名刺交換や情報交換を行いました。
セッションの内容を受けての感想や、自社の取り組みに引き寄せた意見交換なども見られ、終始穏やかな空気の中で対話が広がりました。大規模な交流会とは異なる、じっくり言葉を交わせる時間となり、本イベントを締めくくるひとときとなりました。
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今回のイベントでは、スタートアップ採用市場の最新動向を起点に、成長フェーズごとに求められるCxO像や人材の見極め方、そして経営として採用に向き合う視点が多面的に掘り下げられました。
長年スタートアップ採用ビジネスの最前線に立ち続けてきた藤岡氏の実務経験を背景に、市場環境の変化やAIの進展を踏まえた採用戦略の要諦が具体例とともに共有。採用を単なる人員確保ではなく、事業成長を左右する経営アジェンダの一つとしていかに設計するかという問いが、あらためて浮かび上がりました。
NTLOOP Venturesでは、今後もスタートアップ、事業会社、投資家、支援パートナーが立場を越えてつながり、実践知を共有できる場を継続的に創出していきます。
今後の取り組みにもぜひご注目いただくとともに、各種イベントやコミュニティ活動へも積極的にご参加ください。
イベントの概要
18:00~20:30
